お習字の時間

 

力が入って

こころがガチガチになったら

 

筆で字を書いてみる

 

 

墨汁は直ぐに出てこないから

とりあえず

 

紙と筆と水とで

「一」と書いてみる

 

 

はじめはガチガチのこころで書いているから

字もそれなりにガチガチ

優等生の字を真似てるみたいな字

 

ペンや鉛筆ならそれでいい

しっかりと力を入れて

ビシッと一直線を書く

 

 

だけど、筆は少し違う。

筆で書くと

紙と筆と水とが

吸いついていく感覚が面白い

 

鉛筆のようにビシッと力を入れて書くと

筆の良さがわからない

 

 

筆に自由を与えて書く

 

力を抜いて

ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょーん

っていう感じて筆を自由に

ジグザグに動かしてみる

 

 

平面的に右、左と動かすというより

筆にバネでもあるかのように

縦の空間にまで幅が広がる感覚で書いてみる

 

 

筆に自由を与えて

筆の毛先が運んでくれる方向に動かしてみる

(決して霊的な事を言っているのではありません)

紙と筆と水とが

吸いついていく感覚を味わいながら

動かしてみる

 

 

 

ああ、筆っていいなぁって思える

 

 

 

 

適当に力が抜けてくると、

もう最初の優等生のような

ガチガチの字が書けなくなる

 

力を抜くということがどういう事で

力が入ってるということはどういう事なのかが

何となーくわかる

 

 

 

その感覚を思い出したくて筆を持つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイ トゥオンブリーもそんな感じて 無題 を書いたのだろうか。何枚も、何枚も。