ぴったんこ

 

娘が保育園の頃

泣き止ませるのに苦労はしなかった

 

 

泣いている娘に

何も言わずにハンカチを渡す

 

しばらくすると

ハンカチで涙を拭く

 

それで泣き止んだ

 

 

泣いちゃダメとか

ヨシヨシとか

言わなくても

それですっと泣き止んだ

 

 

 

おもしろいなぁと思っていたが

案外それで良かったのかもしれない

 

 

泣きたいだけ泣いていい

そんなメッセージが伝わったのかもしれない

 

涙は

泣いたらダメと思ったら止まらない

 

感情も

抱いてはいけないと思っても

ずっと無視できるわけでもない

 

 

気が済んだらもう泣く必要はなくなる

 

止めたり隠したりしなくていい

 

 

その時ハンカチは

娘にとってのトリガー

自分の感情と付き合うためのトリガーとなった

 

 

 

 

時々

ぽっかりと穴が空く

心を虚しくすることがある

 

 

そんな時自分をつなぎとめるトリガーが

あったらいい

 

娘にとってのハンカチみたいな

 

 

 

 

 

ふと

手と手を合わせてみた

 

合掌

 

 

神頼みのときぐらいしか使わない

と思っていた合掌

 

 

 

自分に向けて

 

手と手をぴったんこ

 

 

 

 

手に伝わる暖かさが

何かを感じさせる

 

 

感謝かな

 

祈りかな

 

 

 

自分と自分をつなぎとめるトリガーを

見つけた

 

 

 

 

 

 

 

 

(改題しました)