忘れる能力

 

忘れることは

時には困ったことになるけど

 

忘れることは

能力の一つだと思う

 

 

 

たくさん本を読んで

たくさんの事を覚えても

忘れてしまう

 

それでいい

  

覚えたことを全部覚えていたら

自分で考えることをしない

一から調べて確かめることもないかもしれない

 

自分の頭で考えるのに

覚えていない方が都合がいい

 

全部覚えて忘れないことはAIに任せてもいい

AIには絶対に真似できない事が

人間には残されているはずだ

 

 

 

たくさんおしゃべりをした

だからあの時そう言ったでしょって

後から言われることがある

あれ、忘れたの?って

 

でも、忘れてよかった

 

改めて私がそう感じたって思えるから

忘れている方が都合がいい

誰かの意見を覚えていたら

それが自分の感じたことだと素直に認められない

 

 

 

 

好きであんなに聞いた音楽

習慣にしていたこと

よく行った場所も

 

いつの間にかすっかり忘れていることがある

 

でもふと思い出す瞬間がある

改めていいなーと

味わう事が

 

あの頃と同じようで

あの頃と違う

同じであるはずなのに

 

その違いは

受け止め方の違い

あの頃と違う自分として出会っている

 

今また巡り会えた意味を考えてみる

 

 

 

忘れていることは 

ずっと覚えていないだけで

忘れてはいない

 

思い出したらいいし

思い出せないなら

等身大の自分が考えてみたらいい

 

 

 

 

たくさんの刺激が溢れている

退屈を感じることも少なくなってきた

楽しんだ気になれる

 

情報が溢れている

知りたいことはすぐにわかる

わかった気にもなれる

 

 

だけど、

だから、

心から感じているだろうか

たのしいと感じているだろうか

心はカラダはよろこんでいるだろうか

 

自分に確かめることは忘れない

 

 

これは私の考えたことなんだろうか

これは私の本当の意見なんだろうか

それとも

誰かのことばを借りているだけなんだろうか

 

それを感じてみることを忘れない

 

 

借りているとしても

鵜呑みにしないで

検証して

経験してみて

自分のことばで話せるようになるといい

 

 

そのことは忘れない方がいい