ぽっかりと

 

私のさみしんぼは困ったもので

楽しい時間の後に必ずやってくる

ぽっかりと穴が空く

 

 

楽しかったその後の時間を

どう過ごしたらいいのかわからない

 

 

胸に深く刻みたい想い出も

忘れたくない心に残った印象も

時間の経過とともに

移ろい過ぎ去っていくことを知っている

 

だから、切なくなってしまう

 

 

 

思いっきり笑った

思いっきり話した

思いっきり怖がった

思いっきり叫んだ

思いっきり怒った

思いっきり歌った

 

魂がよろこんだ

 

 

ぽっかりはそれだけの経験をしたから味わっている

 

 

 

 

ぽっかりを埋めようとしてしまう

 

あれはウソではなかったという事を確かめたくて

もう一度誰かと分かち合いたくなってしまう

また同じものを求めてしまう

 

さみしくないフリをして意地を張ってしまう

 

 

 

 

だけど、

ぽっかりと空いたという事は

そこにまた何かがやってくるという事

 

ぽっかりと隙間が空いたという事は

ぽっかりと空くその前に

自分の枠がちょっと広がったという事

 

少し先の自分になれたという事

 

 

 

もう手放してもいいから

そこはぽっかり空いた

 

もう次の準備ができたから

そこはぽっかりと空いている

 

 

 

 

部屋のお掃除をしてすっきりキレイにすると

空間が広がる

心地よい空間が広がる

せっかく空いたスペースを

わざわざ何かで埋める事はしない

 

 

その澄み切った空気の中でゆっくり休む

 

 

 

私の心は

十分に味わったから空いた

ちゃんと味わって

もう手放してもいい事だから

 

 

 

感謝とともに手放そう

 

 

手放して

次にやってくるものを待つ

 

特等席はぽっかり空いて

もうすっかり準備ができている